新型コロナ感染症第5波・4回目の緊急事態宣言

 

京都市学校医会 会長 杉本英造

 

残念ながら新型コロナ感染は増加の一途をたどり、8月20日から4回目の緊急事態宣言となりました。学校は2学期が始まり、若年者の感染も増加していますので、学校内での感染も心配されるところです。小学校陸上記録会・持久走記録会(10月30日)、第36回京都市小学校大文字駅伝(令和4年2月13日)は残念ながら中止となり、2年連続開催されず、今後の医務室運営を心配しています。令和3年度こどもの健康週間行事:子育て支援シンポジウム「そうだったのか!コロナウイルス」は10月16日開催しますので参加お待ちしています。

 

文科省から緊急事態宣言下での休校判断する新型コロナ感染『学校対応ガイドライン』が策定されました。

 

★学級閉鎖:同じクラスで感染者や濃厚接触者が2人以上確認された場合は5日から7日
★学年閉鎖:同じ学年で2クラス以上が学級閉鎖となった場合には学年閉鎖
★休校:2つ以上の学年で学年閉鎖となった場合には臨時休校すべきとしています。
上記判断は、保健センターと教育委員会が協議し決定します。

 

「濃厚接触者」を認定する基準を巡っては、感染者と同じ寮の部屋で生活する者や、マスクをせずに1メートル以内で会話した者が「濃厚接触者」になりうるとしています。また、保健所が「濃厚接触者」を特定できない場合は、感染者と同じクラスの全員が検査の対象になりうるとのこと。まだ、学校健診が終了していない学校もあり、今後の感染状況を見守っていく必要があります。健診実施2週以内に当該校で発生した場合、原則延期の調整をお願いしているところですが、学校側と協議の上、令和4年3月までにおこなってください。

 

文科省から大学、高等学校等における軽症状者に対する抗原簡易キット等の活用(部活動、各種全国大会前での健康チェック等における活用を含む。)を奨励することを学校に通知(別紙参照)があり、8月中旬からキットが配布されました。学校側から取り扱いについて問い合わせを受けましたので、教育委員会、京都府医師会と協議しています。医療機関でも検査時間、場所を設けて防護を徹底して施行している検査を学校内でトレーニングなしで行うことには問題があります。小中学校にも配布されるようで、検査方法(小学生が自身で鼻に綿棒を挿入できるのか?検査上での感染問題)、偽陰性の取り扱い、検査キットが陽性時、学校医か医療機関に連絡とあり、その陽性者をどのようにしてPCR検査へつなぐのか?陽性者のプライバシー保護など問題山積です。

 

キット使用にあたっては、キット活用の希望があり、利用が可能な体制(学校医や医療機関との連携の下、教職員等が検査に立ち会う体制が確立されていること)とされていますので、お知りおきくださいますようお願いいたします。

 

体調の悪い児童・生徒は登校しないことを徹底するのが基本です。

 

■高校等におけるキットの利用フロー図(イメージ)[PDFファイル]